写真は南インドのカライクディという街にあるバンガラというホテルのミールスです。(バワンのメニューでよく出てくるチェティナードとはこの地方のことを指す呼び名です)
このバンガラでの感動体験が自分の原点となっております。
街の食堂の素朴な味や荒々しい味とは異なり(それはそれで好きなのですが)
インドで初めて品がありゴージャスで洗練された味付けに出会いました。
語弊を恐れずにいうと『クセがなく食べやすい』味でした。
しかしこれは一流のインド料理シェフがどんなインド料理でもこなせるシェフがそれじゃあ世界の人にも美味しく食べてもらうには、とモディファイした結果の「クセがなく食べやすい」味なのです、、かどうかは分かりませんが。
そんなことを妄想し、自分もそんなことが出来るようになりたいなあと当時思ったものでした。
今回の特別メニューは原点を振り返るという意味とバンガラへの敬意を表してチェティナードミールス(右の写真)を作りたいと思います。
内容は上の写真とほぼ同じです。とても調和の取れたそしてインドというか異国を感じる一皿になっています。自分が当時感動したものを是非皆さんにもお届けしたいと思っています。
○バンガラマトンビリヤニ
バワンで通常出しているのはハイダラバードという地方のビリヤニです。
今回はバンガラで食べたビリヤニを作りますがハイダラバード式とは作り方が全然違いまたその味わいも別物です。その違いを是非体感して見てください。
○チキンペッパーマサラ
バワンの定番になっているチェティナードチキンには2種類あってグレービー(カレールー)タイプか濃厚なセミドライタイプがあります。バワンで通常出しているのがグレービータイプのものです。今回の特別メニューではバンガラで食べたセミドライタイプのチェティナードチキンを作ります。バンガラではこの料理のことをチェティナードチキンペッパーマサラと呼んでいたのでここでもその名前を使いました。
○マサラフィッシュフライ
バサフィッシュという白身魚のスパイス焼き。結構パンチのある荒々しい味ですがこのミールスの中ではとても良いアクセント役になっています。緩急をよく考えているさすがバンガラさんのメニューです。
○チャナ豆のワダ
ドーナツ型のワダよりもカリッとした食感のワダです。フェンネルが良いアクセントになっています。見事な箸休めです。
○クートゥ
ムング豆とココナッツミルクで野菜を煮込む料理ですがバンガラのクートゥはシチューを連想させる味わいです。しかし後から青唐辛子の辛味が追ってくるのでやはりインドだ、と安心します。今回は冬瓜で作る予定です。
○ニンニクとオクラのマンディ
これは変わった料理で、お米の研ぎ汁とタマリンドを使った甘酸っぱい料理です。バンガラではやたらこの料理を推していましたが当時の自分にはこの料理の良さがあまり分かりませんでした。しかし今回改めてこの料理に挑戦し、このミールスの中に並べてみるとその役割の偉大さに気づきます。名脇役。
○スイートマンゴーパチャディ
パチャディというとヨーグルトとココナッツを使ったライタ的な料理を指すのですが、これは完全にチャトゥニ、もしくはジャム。何故これにパチャディと名付けたのかは謎です。しかしこれもいい感じで全体の調和をとってくれます。